「いつかきっと返すからね!」という願いを込めて、、、
ボージョボー人形

My name is "BO JO BO"...

私の名前は『ボージョボー』、、、

今や作っても作っても間に合わない、ご当地マリアナの願掛け人形。

「こんな事になろうとは、夢にも思っていなかった、、、」

今や入手困難なこのお人形の、ロタの工房へお邪魔しました!


昔、チャモロの人々は、何かを借りうけた時「いつかきっと返すからね!」という願いを込めて、このバーゾーゴ(ボージョボー)の木の実を引き換えに渡していたそうです。

お金や、愛や、親切、、、
いつかきっとめぐり巡ってきますよう、、、

それがいつしか願いを込めて人形の姿となったそうです。

その考え方は、ボージョボー人形の象徴だけではなく、今もこのチャモロの社会に健在します。

生まれた子供の洗礼式、誕生日、結婚式、お葬式ともなると、9日間も執り行われる、村を揚げてのパーティがあるこのチャモロ社会。

料理作りたるや、凄まじいと言っても過言でありません。

牛何頭、豚何頭という量りの世界で(キロでは間に合いません)、その食材の確保から作り手にいたるまで、「個人」または「ファミリ」では、到底まかないきれないのです。

そこで、隣近所、親戚の手助けが絶対必要となるわけです。

お昼に向け、早朝4時から料理が始まる事も珍しくありません。そんな時も皆、惜しまずにやってのけます。

これも、その精神があってのこと。

いつか、巡ってくるから、、、

きっと巡ってきますように!


このツタがボージョボーのツタ。ロタではいたる所で見かけます。

大きな木もこのツタで覆ってしまう程、繁殖力がとっても強いのです。このこともまた、「強さ」の言われかもしれませんね。


そもそも、チャモロ語では「BA YO GO」バーゾーゴと言います。

「Y」を「Z」の音で発音するので、「バーヨーゴ」でなく「バーゾーゴ」になります。

例:
ヤシガニ = AYUYU(アズズ)
チャモロのカリントウのようなお菓子 = GOYURIA(グズリア)
と言った具合。
どうも「バーゾーゴ」が伝わるうちに、「ボージョボー」に変化していったようです。


これがそのボージョボーの木の実。

子供の頃、山でどんぐりを見つけた時のうれしかった事!
大事にだいじに取っておいたっけ、、、

こんなまぁるい大きな実を森で見つけたら、どんなに嬉しいことでしょう?!


この木の実は、手や足の部分に使います。

この実もまた、島に自生しています。


糸が通され、手足が付けられ、、、

それっぽくなってきましたね?!


きれいな色に染められたスカートの部分。

一つひとつ、丁寧に染められていきます。


ロタの工房のVIRGINIA TAIMANAOさん。お父様の代から引き継がれて作っているそうです。

毎日毎日、朝から晩まで、休む暇もなく作り続けています。

突然訪れたこのボージョボー人気に、「父の願掛けが今に叶ったのかも、、、どんな事があっても、止めずに作り続けてきて良かった」とおっしゃっていました。




それではまた。次回の『私的ロタ指南』をお楽しみに〜!

(2005年10月12日)



ロタ島でトンガトンガカフェを経営されているEiko-sanに、ロタの素晴らしさを紹介していただきます。女性ならではの繊細な視点とともに、ロタをはじめ、北マリアナ、そして大平洋、さらに地球全体が、優しい気持ちで包まれるような話題をお届けいたします。



「願をかける」と言いますが、「願」は「欲望」とは根本的に違います。欲望の中心には自分がいます。願とは、自分中心ではなく、相手や自分以外の人たちのために、幸せや平和、安寧を心から念じることを言います。「どうかあの人と結ばれますように」、「商売繁盛」、「家内安全」といった、個人的、私的な欲望を、我々編集部は否定はしません。テレビ番組で紹介された事がきっかけで、入手困難な状態が続くほど日本で人気のボージョボー人形ですが、その根底には、限りない「分かち合いの精神」が息づいています。

自分の労力を、惜しみなく必要としている人に与えること。

これから手に入れようと思っている人、今もうすでに持っている人、結び方も大切かもしれませんが、どうしてそこにボージョボー人形があるのか、どうしてボージョボー人形が欲しいのか、ロタ島の位置を地球儀や地図で確かめながら、今一度、考えてみるのも良いですよ。

これを読んでくださったあなたへ

Good Luck!

from GoSaipan! 編集部




私的ロタ指南