「南洋桜」昔の人は、風流な言い方をしたもんです。

今回はサイパンの象徴的樹木、フレームツリー(火炎樹、南洋桜)のお話です。

季節的には少々先の話ですが、4、5月頃から、サイパンの島をオレンジ色の花びらが彩り始めます。これは、フレームツリー(火炎樹)と呼ばれる樹木にたくさんの花が咲くからです。このフレームツリー、成長が早く、亜熱帯の地域ではどこにでも見かけられる樹木のようです。特にサイパン島では、この木が多く見られます。

メモリアルパーク内のフレームツリー


6月から7月にかけてのピークには、海から眺めると島全体がオレンジ色に染まって見える時期があるくらいです。このような理由から、フレームツリーはサイパンの象徴的な樹木として、島民をはじめ、訪れる人たちに親しまれています。

日本人の私たちにとっては、あまりお目にかかる機会のない樹木だと思いますが、皆さんはいかがでしょう? 日本での正式名称は「鳳凰木」とも呼ばれるそうで、マダガスカル原産の樹木だそうです。

空港からの道路沿い


通常、フレームツリーというと2~3種類あるそうですが、サイパンにあるフレームツリーは、日本で知られている火炎木(アフリカン チューリップ)という種類とは違ったものなのだそうです。

戦前、ミクロネシアの島々(当時は「南洋群島」と呼ばれていたそうです)は日本に統治されていたため、多くの日本人たちがこの島々に移り住んでいました。そんな故郷を離れた人たちが日本を懐かしみ、この「鳳凰木」を、「南洋桜」と称したそうです。風情がありますよね、、、


話はそれますが、ロタ島には、日本三大風景の「松島」に見立てた「ロタ松島」と呼ばれる場所があります。当時の日本人たちは、その場所その場所を日本の風景に重ね合わせて、故郷を見立てる才能があったのでしょうか? それとも日本と北マリアナの間には、距離だけでない何か通じるものが存在していたのでしょうか?、、、日本からのツーリストも多いということは、それだけ皆さんが親しみを感じやすいツーリストデスティネーション(観光地)ということですので、やはり、何か通ずるものがあるのでしょうね。


さて、その「南洋桜」が最も開花する時期は、6月から7月(その年によっては8月)頃です。この樹木は桜のように数日で散ってしまうことは無いので、かなり長期間に渡り楽しむことができます。

場所としては、空港から伸びるエアポートロードの両脇、アメリカンメモリアルパーク内のスマイリングコーブ近く、キャピタルヒルやネービーヒルを登る坂道の両脇、また、ビーチロード沿いに立ち並ぶ並木が、ツーリストには一番目に付きやすい「南洋桜」と言えるでしょう。

さらに、この「南洋桜」ですが、最盛期には木から落ちた花びらが地面を埋め尽くし、木々の枝だけでなく周りの地面までをもオレンジ色に彩り、その美しさをさらに引き立てます。

近くで見ると、花びらはこんな形をしています。


来月の4月16~18日、毎年恒例の「フレームツリー フェスティバル」が開催されます。5月といえば、GoSaipan的『食の5月』。「テイスト オブ マリアナス」が、毎週土曜日に開催される予定です。

日本が梅雨の時期に突入する6月は、ツアー代金もかなり安い時期になります。

ビーチロード沿いのフレームツリー


この時期にサイパンを訪れるツーリストの皆さん、サイパンでのもう一つの楽しみ方として、写真を撮る時、島内観光に出かけた時、この「南洋桜」のことをちょっと心に留めながら、サイパン旅行のひとコマに、美しいオレンジを加えてみてはいかがでしょう。

4月から8月にかけて、サイパンをオレンジに彩るフレームツリー。お見逃しなく!




それではまた、次回のサイパン指南をお楽しみに!

(2004年3月4日)

 

私的サイパン指南